DJI Mavic 4 Proのスペック、日本で活きるもの・活きないもの|27万円の価値を見極める
DJI Mavic 4 Proは、DJIのコンシューマー向けドローンの頂点にあたるフラッグシップ機です。2025年5月の発売以来、価格はDJI RC 2付属モデルで277,200円。スペック表には景気のいい数字が並びます。
ただ、日本で飛ばす場合、そのスペックがすべて活きるわけではありません。航空法のルールの中で使い切れる数字と、使い切れない数字がはっきり分かれます。この記事では、27万円を出す価値がどこにあるのかを、日本で飛ばす前提で整理しました。
主なスペック
| 項目 | Mavic 4 Pro |
|---|---|
| メインカメラ | 4/3型 Hasselblad 1億画素、f/2.0〜f/11(28mm) |
| 望遠カメラ | 70mm・168mmの2基 |
| 動画 | 最大6K/60fps HDR、4K/120fps |
| ジンバル | インフィニティジンバル(360°回転、上向き70°) |
| 最大飛行時間 | 51分 |
| 最高速度 | 90km/h |
| 映像伝送 | 最大15km(日本国内) |
| 障害物検知 | 全方向(0.1ルクス対応)+前方LiDAR |
| 重量 | 約1,063g |
| バッテリー | 95Wh |
日本では使い切れないスペック
伝送距離15km
海外では30km、日本でも15kmの映像伝送ができます。ただし日本の航空法では、自分の目で機体を見ながら飛ばす目視内飛行が原則です。機体が目で追えなくなる距離まで飛ばすのは目視外飛行になり、承認が必要です。
1kg級の機体でも、数百mも離れれば肉眼で姿勢を確認するのは難しくなります。15kmという数字は「その距離を飛べる」ではなく、「近い距離での映像が途切れにくい余裕」と受け取るのが現実的です。ビル街や木の多い場所で電波が切れにくいのは、日本でも十分にありがたい性能です。
最高速度90km/h
スポーツモードの最高速度も、目視内で安全に飛ばせる範囲を考えると出番は限られます。速い被写体を追う撮影でもない限り、使い切る場面はほぼありません。
暗所に強いセンサー
全方向の障害物検知は0.1ルクスの暗さに対応し、前方LiDARも備えています。夜でも安全に飛ばせる装備ですが、日本では夜間飛行自体が特定飛行にあたり、国土交通大臣の承認が必要です。装備はあっても、手続きなしに夜に飛ばしてよいわけではありません。
日本でもしっかり活きるスペック
51分の飛行時間
これは日本でも素直に効きます。前モデルMavic 3 Proの43分から8分伸びました。目視内という限られた範囲で、同じ場所を何度も撮り直したり、光が変わるのを待ったりする日本の空撮スタイルでは、1本のバッテリーで粘れる時間がそのまま撮れ高になります。
1億画素のメインカメラと3眼構成
遠くに飛ばせない日本では、離れた被写体を「寄る」代わりに「撮ってから切り出す」場面が多くなります。1億画素あれば、トリミングしても解像感が残ります。70mmと168mmの望遠カメラも、機体を近づけずに被写体を大きく写せるので、人や建物との距離を保ったまま撮るのに役立ちます。
インフィニティジンバル
ジンバルが360度回転し、上向き70度まで向けられます。機体を真横に傾けたような構図や、橋の下から見上げる構図が、機体の姿勢を崩さずに撮れます。飛び方を工夫できない狭い範囲でも、カメラ側で構図の幅を広げられるのは日本向きの進化です。
95Whバッテリーは機内持ち込みできる
バッテリーは95Whで、多くの航空会社が個数制限なしで機内持ち込みを認めている100Wh以下に収まっています。リチウムイオン電池は預け入れ荷物には入れられないので、飛行機で遠征するときに予備バッテリーを手荷物で持って行けるのは大きなメリットです。
ただし持ち込み条件は航空会社ごとに違うので、搭乗前に必ず確認してください。端子の短絡を防ぐため、1本ずつ袋やケースに入れて持ち込むのが基本です。
手続き面で知っておくこと
- 約1,063gなので機体登録・登録記号の表示・リモートIDは必須
- DID地区、夜間、目視外、人や物件から30m未満などは特定飛行で、許可・承認が必要
- 型式認証は取得していないため、許可・承認はDIPS 2.0から通常どおり申請する
機体登録と申請の流れはDJI Mini 5 Proの機体登録と飛行許可申請でまとめた内容が、重い機体でもそのまま当てはまります。
まとめ
Mavic 4 Proは、伝送距離や最高速度といった「遠く・速く」の数字よりも、飛行時間・カメラの解像度・ジンバルの自由度・バッテリーの持ち運びやすさといった「限られた範囲で撮り切る力」に価値がある機体です。日本で飛ばすなら、そこに27万円を払う意味があるかで判断するのがいいと思います。
前モデルからの進化はDJI Mavic 3 Proのレビュー記事と読み比べてみてください。
