Osmo Pocket 4Pの60mm望遠はどう使う?Pocket 4と迷ったときの判断軸
2026年6月29日に発売されたDJI Osmo Pocket 4Pは、Pocketシリーズで初めてレンズを2つ積んだモデルです。20mmの広角に、60mmの中望遠が加わりました。
価格はPocket 4より約2万円高い99,000円から。気になるのは「60mmって実際どこで使うの?」という点だと思います。この記事ではスペックを並べるより、60mmで何が撮れて何が撮れないのか、Pocket 4と迷ったときにどこで判断すればいいのかに絞って整理します。
Pocket 4との違いは大きく2つ
| 項目 | Osmo Pocket 4P | Osmo Pocket 4 |
|---|---|---|
| レンズ | 20mm f/2.0+60mm f/1.8 | 20mm f/2.0 |
| センサー | 広角1インチ+中望遠1/1.28インチ | 1インチ |
| ダイナミックレンジ | 最大17ストップ(広角) | 最大14ストップ |
| ズーム | 光学3倍+最大12倍 | 最大4倍 |
| 内蔵ストレージ | 103GB | 107GB |
| 重量 | 約230g | 約190.5g |
| 価格(税込) | 99,000円〜 | 79,200円〜 |
違いは「60mmの中望遠レンズが追加されたこと」と「広角側のダイナミックレンジが14ストップから17ストップに広がったこと」の2点に集約されます。それ以外の使い勝手はPocket 4とほぼ共通です。
一方で、重量は約40g増え、内蔵ストレージはわずかに減っています。カメラを1つ増やした代償として、ここは素直に受け止めておく部分です。
60mmが活きる場面
人物を背景から浮かせたいとき
20mmの広角は景色を広く入れるのが得意な反面、人を撮ると背景もたくさん写り込みます。60mmなら画角が狭くなる分、背景が整理されて人物が主役になります。f/1.8と明るいので、背景を柔らかくぼかした映像も撮りやすくなります。
インタビュー、料理動画の手元、カフェでの自撮りなど、「何を見せたいか」がはっきりしているシーンほど効いてきます。
近づけない被写体を撮るとき
ステージの演者、子どもの発表会、遠くにいる動物など、物理的に近寄れない場面では望遠の価値がはっきり出ます。光学3倍に加えて最大12倍(240mm相当)まで寄れるので、Pocket 4のデジタル4倍では届かなかった距離が撮れるようになります。
顔の歪みを抑えたいとき
広角で顔に近づいて撮ると、鼻が大きく見えるなどの歪みが出がちです。60mmで少し離れて撮れば、見た目に近い自然な顔立ちで写ります。Vlogで自分を撮る機会が多い人ほど、この差は気になってくると思います。
60mmが不得意な場面
- 寄り撮り:中望遠の最短撮影距離は0.2mで、広角の0.09mほどは寄れない
- 歩き撮りの自撮り:腕の長さでは画角が狭すぎて顔しか入らない
- スロー撮影:最大は広角4K/240fps、中望遠は4K/200fps
- ダイナミックレンジ:17ストップは広角側の数値で、中望遠では同じ余裕はない
つまり60mmは、20mmの代わりではなく「20mmでは撮れない画を足すためのレンズ」です。普段は広角で撮り、ここぞという場面で中望遠に切り替える。この使い方が前提になります。
Pocket 4と4P、どちらを選ぶか
Pocket 4で十分な人
- 歩きながらの自撮りや旅のVlogが中心
- 少しでも軽く、安く持ち歩きたい
- スマホで別途望遠を撮れるので困っていない
4Pを選ぶ価値がある人
- 人物インタビューや商品撮影など、被写体をはっきり見せたい
- イベントや子どもの行事など、近づけない被写体を撮る機会がある
- 逆光や夕景など明暗差の大きい場面をよく撮る
- D-Log 2で撮ってカラーグレーディングまでやりたい
迷ったときは「最近撮った動画で、もっと寄りたかった場面がどれくらいあったか」を思い出してみてください。思い当たる場面が多いなら4P、ほとんどないならPocket 4で困ることはまずありません。
買う前に知っておきたいこと
Pocketシリーズは小型ジンバルカメラの宿命として発熱しやすく、4Pもレンズとセンサーが増えた分だけ負荷は大きくなります。長回しをする予定がある人は、Osmo Pocket 4が熱い・録画が止まるときの対策も目を通しておくと安心です。画面を早めに消す設定や高速なmicroSDカードの使用は、4Pでもそのまま有効です。
Pocket 4本体のスペックや前モデルとの違いについては、Osmo Pocket 4のレビュー記事にまとめています。
まとめ
Osmo Pocket 4Pの60mmは、何でも撮れる万能レンズではありません。人物を主役にしたいとき、近づけない被写体を撮りたいとき、顔を自然に写したいとき。そういう「広角だと物足りない」場面のために追加されたレンズです。
自分の撮影にその場面がどれくらいあるかで、約2万円の差に意味があるかどうかが決まります。
